エンマ様の通信簿

ありのままの自分が愛おしくなる

魔法のような物語

「エンマ様の通信簿」の世界へようこそ!

「エンマ様通信簿」はこんな話です

主人公のエンマくんは目を覚ますと神さまの世界にいました。
そこにはお茶目な神さまがいました。
自分に自信がなく、悩んでばかりのエンマくんに神さまは言います。
「悩めるって素敵よねえ」
「素敵って・・・、もう、本当に神さまったら」
お茶目な神さまに翻弄するエンマくん。

エンマくんはこの神さまの世界で、神さまの話を聞いたり、人間世界に行く人たちや逆に人間世界から戻ってくる人たちを目の当たりにします。

そして、
「アッ!もしかして・・・」エンマくんは、私たちが人間として生きる本来の意味や目的を思いつきます。

エンマくんが気づく生きる目的によると、どんな人であろうと、どんな人生になろうと、失敗なんてあり得ないってことになります。

「そう考えるとしっくりくるんです」
「うんうん面白いわ。きっとそうよ」
そして、エンマくんは神さまから大切な役目をもらうことになります。

あなたがもし、この「私たちがなぜイヤな思いもいっぱいしながら人間として生きるのか?」を「面白い!」と感じてもらえたら、もしかしたら魔法のようなことが起こるかもしれません。

<もくじ>
※「はじめに」からは音声でも楽しめます。カッコ内は音声の時間です。(分:秒)

まえがき
ようこそ「エンマ様の通信簿」の世界へ
・・・とその前に魔獣登場!

はじめに エンマ様から君へ (07:11)

第1章 僕が見た神さまの世界 (27:39)
エンマくんは気が付いたら神さまの世界にいました。
そこでエンマくんは何を感じるのでしょうか?
 <第1章の世界観と眺めるヒント>

第2章 僕が見たあの世に行く人たち  (51:24)
エンマくんは神さまの世界から人間世界に行く人を目の当たりにします。
みんなが人間世界に行く理由に、エンマくんビックリ。
 <第2章の世界観と眺めるヒント>

第3章 神さまの楽しみとあの世から戻って来た人たち (55:14)
いつも私たちを見守ってくださる神さまは、何を楽しみにしているのでしょうか?
そしてエンマくんは、人間世界から戻ってくる人たちを目の当たりにします。
 <第3章の世界観と眺めるヒント>

第4章 神さまの悩みと僕たちの生きる目的そしてエンマ様の通信簿 (59:06)
神さまに悩みがあるなんてビックリのエンマくん。
そして、エンマくんは、私たちが、人間としていく本当の目的に気が付きます。
そんなエンマくんは神さまから大切な役目を仰せつかります。
 <第4章の世界観と眺めるヒント>

おわりに エンマ様から君へ (13:03)

あとがき

まえがき

・・・と、その前に、魔獣現る!

「おい、おまえ」
地響きがするような、野太い声がしました。
いきなり私の前に現れたのは、大きな大きなオオカミのような姿をした魔獣でした。
ワワワ、たじろぐ私。
はじめて会う魔獣。鋭い牙がチラチラ覗いています。
見るからに強く、恐ろしそうです。
ですが、私はすぐに落ち着きを取り戻しました。なぜか全く怖さを感じません。
それどころか、頼もしさと包み込むような優しさを感じます。吸い込まれそうな、どこまでも透き通った真っ黒な瞳が、あまりにもきれいだからでしょうか。
その魔獣は、体にまとった長くて白い毛をなびかせながら、言いました。
「おまえ、自信がないって嘆いているのか?」
うなずく私。
「つらいです。こんな自分はイヤ、変わりたいです」
「でも、変えられないんだろ?」
「そう。長所に目を向けたらいいのに、と言われても欠点ばかりが気になるし、何か前向きなことに挑戦すればって言われて始めても、続かないし。ダメなの、私」
すると魔獣はゆっくりうなずきながら
「フフ、そうだろそうだろ。おまえは自分を変えようとしても変えられないんだ」と、何だか嬉しそうに言いました。
「私、自分を変えることできないの?」
魔獣はゆっくりとうなずきました。
「そうだ、おまえは自分を変えようとしても変えることができないんだ」
「ふう、こんなイヤな思いばかりして。何のために私は生きているの? 生きている意味なんてないじゃない」
すると魔獣はハハハと大声で笑いました。
「ハハハ、お前は自分の実力を知らないんだ」
「私の実力?」
「そうだ。本当のおまえはすごいんだ。だからこそ、おまえは自分がイヤになる。だからこそ、変えられない」
「言っている意味がわからないわ」 私は首を左右に振りました。
そんな私に、魔獣はいっそう優しさに満ちた目になって言いました。
「おまえ、今までいっぱい嫌な思いをしたな」
魔獣のあたたかくて柔らかな口調に、私は思わず涙が出てしまいました。
魔獣は私の顔を覗き込むと、嬉しそうに微笑みました。
「うん、機は熟したな」 魔獣は空の方を向くと、ハハハハハハッ! と、快活に笑いました。地鳴りがするかのようです。
そして、魔獣は私に目を向けました。
相変わらず優しい目ですが、なんだかイタズラ小僧のようにも見えます。
魔獣はフフッと小さくうなずくと、いきなり白くて長い毛が風にたなびくように揺れはじめ、体中がまばゆい光に包まれました。
思わず目を閉じた私。
目を開けるとそこに魔獣の姿はなく、私は一冊の本を胸に抱えていました。

はじめまして、僕は本書「エンマ様の通信簿」の著者の真奏あお、と申します。
いきなり物語調で始まりましたが、まだ「エンマ様の通信簿」は始まっていません(ややこしいことしちゃってゴメンなさい)。
本書を紹介するために分かりやすいかな、と思って物語調にしてみました。
もしあなたが、悩みが多くて生きづらいなあ、と思っているのなら、この物語の中でいきなり魔獣に会った「私」は、あなた、ということになります。
そして、「私」が胸に抱えた本が、あなたが今、こうして手にしてくれている本書、というか「エンマ様の通信簿」のページということですね。
今まで自分に自信がなく、自分を変えたいと思いながら変えることができなかった、悩み多きあなたにこそ、この「エンマ様の通信簿」をお届けしたかったのです。
そしてあなたの機が熟した、つまり、次のステージに進む準備ができた、ということです。
「一体何のこと? 機なんか熟していないわ。何の準備もしていないし」とあなたは言うでしょうね。
そう思うのはごもっともです。でもでも本当に準備はできているんです。
だからこそ魔獣はあなたにこの本を渡したのですから。
本書「エンマ様の通信簿」は、主人公のエンマくんが神さまの世界に行き、私たちが人間として生きる意味や目的に気づく、という物語です。
エンマくんが気づく「私たち人間が生きる目的」によると、あなたが自分に自信がないとしても、自分が嫌いだとしても、それは全然悪いことじゃなくて、大切な大切な意味があることになります。
自分を変えようとしても変らないのも当たり前だってことになります。
あなたは本当はかっこいい、すごい人だってことになるのです。
もしあなたが、エンマくんが気づくこの「生きる目的」を「なんだか面白い」と思ってくれて、「もし本当にそうだとすると」と考えてもらえるなら、あなたは自信がない自分を認められるようになり、悩んでばかりの自分を卒業して前に進み始める、つまり、次のステージに進み始めるのです。

ここでちょっと僕のことを話しますね。
僕も自分に自信がなく、常に劣等感があって、人にどう思われたかを気にしすぎたり、すぐ不安になっていました。
ある日僕は、いつものように落ち込んでいました。 そのとき思ったのです。
「なぜこんなにイヤな思いをいっぱいしながら生きていかなくてはいけないんだろう?」と。
考えてみれば何万年も前からの人類の歴史の中で、人の数ってとんでもないものになります。
海岸に広がる砂浜の、砂粒の数くらいあるかもしれません。
その砂浜の一つの砂粒がどうなろうと、砂浜に何の影響もありません。
時間で考えてもそうです。 長い長い歴史から見ると、僕たちの一生なんて、ほんのほんの一瞬です。
そんな些細な些細な人生なのに「なぜ頑張って生きるのだろう?」 僕だけじゃありません。 多くの人が大変な思いをいっぱいしながらも、頑張って生きています。
「なぜだろう?」 僕は不思議な思いでいっぱいになりました。
元来僕は「そもそも」を考えるのが好きでした。
「お金って何だろう?」
「仕事って何だろう?」
そんな「そもそも」を考えて、自分なりの回答を持つことが好きでした。
だから僕はこの「私たちは何のために生きているんだろう?」という「そもそも」に、自分なりの回答を持ちたいと思うようになったのです。
いろいろな本を読んだり、人の話を聞いたりしました。 でも、どうしても僕にはしっくりこないのです。

僕は考え続けました。
そしてある日、雨上がりの空気がキラキラしているお昼近く、仕事で車を運転していて、東京・渋谷の高架の下の暗がりに入った途端、フッと思いついたのです。
思いついたのは、もちろん「何のために生きるのか?」ということです。
「アッ、そうか!」
僕はうんうん頷きました。
「うん、しっくりくる。そう考えると、確かにしっくりくる」
うれしくなって僕は何度もうんうん頷きました。
フッとした思いつきですが、僕にはとてもしっくりきたのです。
そのことを生きる目的だと考えると、僕が人と比較してダメなところがあっても全然大丈夫、ということになります。
僕がどんな僕であっても、僕がどんな選択をしても、僕の人生がどんなものであろうと、失敗の人生なんてない、ということになります。
僕の人生は僕にしか経験できない、だから価値がある。僕だけじゃなく、どんな人もです。
人類が誕生して、海岸の砂浜の砂の数ほどの人生がありますが、一人として同じ人生を送った人はいません。
だからこそ、みんな価値があるということになります。
僕はこの生きる目的がすっかり気に入りました。
しっくり来たのです。
「私たちは一体何のために生きているのだろう?」
その「そもそも」に、僕は僕自身がしっくりくる自分なりの回答を持つことができたのです。
もちろんこの回答が絶対の正解だとは思っていません。
これから違う視点が出てきて、変化するかもしれません。
それでいい
と思っています。そんなゆるい感じがいい。それでも今、自分の回答が持つことができている、ということがとてもうれしいのです。
それから僕は、この生きる目的で自分や自分の周りを捉えてみるようにしてみました。
そうしているうちに僕は、同じ事で悩み続けたり、人と比較して凹む時間が少なくなって、時には「僕って愛おしいやつだなあ」なんて思うこともあるようになりました(笑)。
そして僕は、このことを、僕と同様、自分に自信がなくて、生きづらさを感じている人に伝えたい! そう思うようになったのです。
でも、どうやって? 何とか形にしたいと思い試行錯誤で数十年(結構盛っています)、やっと「エンマ様の通信簿」という物語の形で完成させることができました。
僕は哲学者でも心理学者でもセラピストでもありません。スピリチャルなことがわかる人でもありません。
人に「生きる目的」を話せるほどのだいそれた経験があるわけでもありません。
それでも伝えたいのです。
というのも、「何のために生きるのか?」を考えて、本を読んだり人の話を聞いたりして、一つだけ自信を持って分かったことがあるからです。
それは「生きる意味や目的の真実はわからない」という事です。
真実は誰かが知っているものではなく、どこかにあるものでもない、という事です。
私たち人間の次元ではわからない、というレベルではなく、次元自身も無限で、だからわかるわけがない、ということです。
とはいっても「何のために生きるのか?」わからないまま悶々として生きるのって、イヤですよね。
大丈夫!
と僕は思うのです。
真実は絶対にわからない、ということは、自分がしっくりくることを自分の真実、としたって構わないってことになります。
それって素敵だ! 僕はそう思いました。
しっくりくることは人によって違います。
だから僕は、専門家ではないけど、どうしてもあなたに伝えたくて伝えたくて仕方がないのです。
だって、僕がしっくりきたのだから、もしかしたらあなたもしっくりくるかもしれない、と思うからです。
そして、あなたの人生がもっと輝くかもしれない、そう思うと僕はワクワクしてしまうのです。
もちろん、あなたにはしっくりこないかもしれません。
それはそれでいいと思っています。
僕は真実を知っているわけではありません。
あなたにとっての真実はあなたの中にだけあるのです。
あなたがしっくりくるかどうかはわかりませんが、この物語の世界観があなたの何かしらのひらめきのきっかけにはなる、という自信はあります。
そのひらめきであなたがしっくりくる、自分なりの「生きる意味、生きる目的」を持つことができたら最高です!

さあさあ、それでは僕がしっくりきたことを「エンマ様の通信簿」という物語を通して紹介していきます。
主人公のエンマくんが「生きる目的」に気づくのは最終章まで待っていただくことになります。
「もったいぶらないでさっさと生きる目的を話してよ」というところでしょうが、まあまあそこはグッとこらえてください。
最終章につながるまでの章で描かれる世界観は、エンマくんが「生きる目的」に気づくための大切な土台になる部分です。ですから、その道筋もしっかり味わっていただきたいのです。
あなたはそこで描かれる世界観を信じる必要はありません。
信じる必要はありませんが、「その世界観がもし本当だとしたら、どういうことだろう?」という仮定の上で、自分や自分の周りを客観的に見てほしいのです。
眺めるという感じです。
「エンマくん的に言えばそういうことね」という感じで。信じるんじゃないです。あくまでも仮に「もし本当だったら」と、眺めてみるのです。
しっくりこなかったらそれでも大丈夫です。
各章の終わりに、その章の世界観のまとめと、「眺めるってたとえばこんな感じです」という「眺めるヒント」を掲載しました。眺め方に正解はありませんから、それをただ参考にして、自分自身がしっくりするやり方で、楽しんで眺めてみてください。
この「エンマ様の通信簿」は軽い感じで進んでいきますので、「変なこと言っているなあ、ハハハ」などと楽しんでもらえれば嬉しいです。

それでは、まずはエンマ様からあなたへのメッセージから進んでください。

真奏あお

makana ao